学习者が英語で自分の意見を言いたくなる3つの「コツ」

山中 純子
Woman talking around a table
所要时间: 5分间

EFLの教室では、学习者に本物のコミュニケーションを英語で楽しむ機会を提供することが大切です。教科書のダイアログをAさん役とBさん役に分かれて読み合わせをしたり、暗記したりではなく、本当に聞きたいことを相手に尋ね、本当に言いたいことを相手に伝える、自然なやり取りの機会です。思わず聞いてみたくなる、思わず言いたくなるという気持ちが学习者に芽生え、会話を楽しむ、という状況は、どうすれば作り出すことができるでしょうか。
私が最もおすすめしたい効果的な方法は、「学习者がお互いに英語で意見を述べ合うこと」です。なぜか?意見交換は「ドリル」や「練習」と違って本物のコミュニケーションだからです。そして、本物のコミュニケーションは楽しいのです。実際、学习者は自分の見解を相手に伝え、相手の考えを知ることが楽しいと言います。また、意見を述べるためには思考?判断力が必要で、彼らの知的レベルにも合っています。それは言葉の深い習得にも繋がります。
でも、英語で意見を述べるなんて難しい、と思われますか?いいえ、大丈夫です!適切な教材と指導法があれば、初級の学习者でさえ英語での意見の交換を楽しめます。日本の若者は意見を持たないとか、人と違う見解を示したがらない、という人もいますが、そんなことはありません。私は日本の学校で長年教えていますが、学生や生徒は意見交換を楽しみます。人の見解を知りたいと思い、意外かもしれませんが、人と異なる考えを示すことをためらいません。

ただし、学习者に自分の意見や考えを言いたくさせるには、「コツ」が必要です。どのような「コツ」なのでしょうか?3つご紹介したいと思います。????

その1.?面白くて身近なトピックを选ぶ
その2.?ユニークなスタンスで论点を示す
その3.?学习者が苦労なく話せる工夫をする

具体的に见てみましょう。

その1. 面白くて身近なトピックを选ぶ

まず、トピックの選定が重要です。学习者が興味を持つ話題でなければ、話したい気持ちが芽生えません。ファッション、友情、恋愛、就職、結婚、ジェンダー、地球温暖化、少子化問題、A.I、SNS、プラスチックごみ問題、などなど、身近な話題から社会問題まで、様々なトピックがあります。学习者がどのような話題に関心があるのか、どの話題なら話したくなるのか、知る必要があります。トピックをリストアップして選ばせるのも、良い方法です。教師の予想とは違うトピックが選ばれることも結構あります!ただし、レベルにもよりますが、あまり軽い話題ばかりに偏らないように少しだけ介入することも必要です。私は中級以上の学习者であれば、「死刑制度」を、「先生のおすすめトピック」として必ずリストに載せます。学习者の英語力にかかわらず人気があるトピックは、やはり「友情」「恋愛」「結婚」ですね。


しかし、興味のあるトピックを提示しただけで学习者が話したくなるわけではありません。さらなる「コツ」が必要です。

その2. ユニークなスタンスで论点を示す

こうしてトピックを選んだら、次は論点(観点?主題)の設定です。ここで大切なことは、学习者が思わず何か言いたくなるようなユニークな論点を投げかけることです。分かりやすい例として、「英語学習の意義」というトピックをあげましょう。このトピックに対して、「英語学習はとても大切だ」という論点を提示し、賛成か反対かを問うとどうでしょう。おそらくほとんどの学习者は「大切に決まっているじゃないか。当たり前だよ」と思い、議論にもならないでしょう。感情も動きません。ところが、論点を「英語学習は必要ない」とするとどうでしょう。おそらく彼らの心の中では、「え?なぜ?」とか、「そんなのありえないよ」とか、「案外そうかもしれない」などのつぶやきが起き、何かを考え始め、何か言いたくなります。

もう一つ、「結婚」というトピックで考えましょう。「あなたは結婚についてどう思いますか」と問われたら、学习者は何と答えていいのか戸惑います。ここでも、彼らが思わず何か言いたくなるような、ユニークでインパクトのある論点を設定する必要があります。例えば、「人は結婚する必要はない」にするとどうでしょうか。この観点に対して、賛成か、反対か、問いかけます。これは、すぐに反応を生みます。「そうだよ、結婚は個人の自由だよ」と思う人もいれば、「やっぱり私は、結婚は必要だと思う」とか「結婚する人が減ると、少子化が進むよね」と思う人もいますね。学习者は少し考えを巡らすことになり、自分の気持ちや見解に気づいたり、確認できたりします。そして何か言いたくなるようです。他の人の意見や見解を聞いて、「それは違うよ!」と反論したくなることもあるでしょう。または、「なるほど、そういう考え方もあるのか」と、自分の気持や考えに変化が現れることもあります。

学习者に思わず何か言いたくさせる「コツ」はおわかりいただけたでしょうか。つまり、「アウトプットの意欲」を出させる、ということです。しかし実際にアウトプットをするには、英語力が要ります。語彙や表現を知らないと、自分の考えを伝えることができません。また、間違えたら恥ずかしい、などの不安感もアウトプットの妨げとなります。それらを克服する「コツ」は?

その3.  学习者が苦労なく話せる工夫をする

学习者の多くは、自分の言いたいことを英語ですんなりと言い表すことには苦労します。「こう言いたいけどうまく言えない!」「これって英語でどう言うの?」「単語がわからない!」など、ストレスの塊となってしまいますね。そこで、教師が様々な意見のサンプルを用意し、それに対して、学习者がI agree.?またはI disagree.というだけで意見を示せるようにするのも一つの案です。または、いくつかのサンプルから自分の見解に一番近いものを選ばせることもできます。これなら、文を一から産出しなくて良いので、ハードルがぐっと下がります。学习者はサンプルの一部をつなぎ合わせたり、補ったりして自分の意見をまとめることもできます。(勘の良い方は、アウトプットの活動でありながら実は知らず知らずのうちにインプットをしていることにお気づきでしょう)

できれば、先程述べたユニークなスタンスの論点を示す短い会話、モノローグ、記事文などをできるだけ簡単な英語を用いて作成するとよいでしょう。その教材自体が、意見を述べる際に利用できる表現や文章をたくさん含んでいるのが理想的です。テキストの中に英語のヘルプがあることで、学习者はあまりフラストレーションを感じずに自分の見解を述べることができるのです。

このように「足场がけ」(蝉肠补蹿蹿辞濒诲颈苍驳)をすると、とりあえず相手に自分の意见を伝えることができ、大きなストレスなく、コミュニケーションが成立します。相手の意见を知ることができ、楽しい活动となります

また、学习者が不安やストレスをあまり感じないよう、いきなり教師やクラス全体に自分の見解を述べるのでなく、個人作業でまずサンプルを見て自分の意見に近いものを選び、そのあとペアワークで伝え合い、必要があればさらにグループで伝え合う、などのように、無理のない進め方をします。「意見」「見解」なので、正しい答?間違った答えがないことも、安心して話せる要因の一つですね。

まとめ

興味のあるトピックで、インパクトのある論点であれば、学习者は思わず自分の意見、見解を述べたくなります。そこに、語学力を補い不安を減らす工夫があれば、学习者は英語力にかかわらず、知的レベルに見合った、意味のあるコミュニケーションを楽しむことができます。同時に思考?判断力も養えますし、社会問題に目を向けることもできますね。ぜひ試してみてください。

ちなみに、私のクラスでいつも大盛り上がりになるトピックは、「デート代は、男が払うか女が払うか」「男女间に友情は成立するか」「美容整形はありか」「国际结婚はするべきか」などです。先学期は、「プラスチックごみ问题」にとても関心が集まりました。皆さんのクラスでは、どんな话题が人気となるでしょうか。

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